【マツダ 3 雪上試乗】正確で自然なハンドリングのなかに、操る楽しさを上手く包み隠している…片岡英明 AppStore:https://play.google.com/store/apps/details?id=com.QTStudio.ZombieCrazy 2018年11月に開催されたロサンゼルスモーターショーでベールを脱ぎ、間もなく発売が開始される『マツダ3』次期アクセラ!?のプロトタイプに、北海道剣淵町にあるマツダの試験場で試乗した。 雪が降り積もった特設コースでステアリングを握ったのは北米向け仕様のセダンとヨーロッパ市場向けの5ドアハッチバックだ。いずれもFF車で、ガソリンエンジンSKYACTIV-Gに電子制御6速ATの6EC-ATを組み合わせている。 最初のステージでは試験場の入り口から管理棟を結ぶ取り付け道路を使い、新旧のマツダ3を走り比べてみた。この道路は管理棟からは曲がりくねった下り坂、入り口からは勾配のきつい登り坂になっている。最初に気がついたのは、ドアの開閉音とシートの座り心地がよくなっていたことだ。形状と構造を変えたフロントシートはフィット感がよく、体をしっかりとホールドしてくれる。ステアリングの調整幅も大きいから難なくベストポジションを取ることができた。 走り出すと、ボディそのものの剛性が高く、しっかりとした印象だ。現行モデルよりフロアが厚くなったように感じられ、1クラス上の上質さを感じさせるだけでなく心理的な安心感とくつろぎ感も増している。後席にも座ってみたが、シート形状がよくなったこともあって座り心地がいい。また、走行中の静粛性も向上している。エンジンからのノイズが低く抑えられているし、後席でもホイールハウス周辺からの透過音やロードノイズが上手に封じられていた。振動も小さい。 新世代の「SKYACTIV-VEHICLE ARCHITECTUREスカイアクティブ ビークル アーキテクチャー」を採用した新型マツダ3はスタッドレスタイヤを上手に履きこなしている。リアサスペンションがマルチリンクからシンプルなトーションビームに変わったので注意深く観察した。が、荒れた路面でも懐が深く、動きも猫のようにしなやかだ。 正確なハンドリングを披露し、ミューの低い雪道でも狙ったラインに難なく乗せることができた。除雪しているため道幅は狭くなっていたが、ステアリング操作に対し素直にクルマが向きを変える。現行モデルはちょっとアンダーステアになり、タイトコーナーでは舵を切り増しする必要があった。が、新型マツダ3は操舵の切り始めから滑らかにクルマが動き、コントロールできる領域が広い。 意のままの気持ちいい走りに大きく貢献しているのが車両運動制御技術の進化だ。システム間のさらなる統合制御によって持てる実力をフルに引き出せるようになっている。コーナリングしているときにエンジンのトルクを少し絞り、荷重移動を速やかに行うことによって前輪の接地性を高め、旋回しやすくするのが車両安定制御の「G-ベクタリング コントロール G-Vectoring Control Plus、以下GVC だ。これはモーメント制御を緻密に行うGVCプラスに進化した。 GVCプラスはヨーモーメント制御によって旋回から直進に戻るときの挙動の安定化を図る安全装備だが、低ミューの雪道ではコントロール性が大きく向上し、運転がうまくなったように感じた。スラロームやダブルレーンチェンジのような場面でもステアリングを戻すタイミングで外側のタイヤに絶妙にブレーキをかけ、安定性を高める。回頭遅れがほとんどなく、舵の収束は早いし、揺り返しも小さく抑えられていた。旋回の途中からはブレーキを制御してステアリングを戻す操作時の収束性を高めてくれるからスラローム走行をしても余裕をもって対処できる。 エンジンは2.0リットルと2.5リットルの直列4気筒ガソリンエンジン、そして1.8リットルのディーゼルターボを運転できたが、雪道だったため実力をフルに引き出すことはできなかった。だが、販売の主力となる2.0LのSKYACTIV-Gは軽やかに回り、低速を強いられる雪道でも扱いやすい。また、6速ATのつながりも滑らかになっている。前述したように静粛性も1ランク上に引き上げられていた。 新型マツダ3は現行モデルより正確なハンドリングと自然なハンドリングのなかに、操る楽しさを上手く包み隠している。リアの接地フィールも大きく向上していたから自然体で運転でき、コントロールしやすい。乗り心地に代表される快適性もハイレベルだ。プロトタイプでの試乗だったが、バランス感覚に秀でたファミリーカーという印象を強く持った。インテリアも上質感を増し、居心地がよくなっている。日本での正式発売が楽しみだ。 ■5段階評価パッケ
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